家の知識
House Knowledge
「そろそろ持ち家を検討したい」というとき、戸建てにするかマンションにするかは悩ましいポイントでしょう。
戸建てもマンションも、それぞれにメリット・デメリットがありますが、最終的には自分や家族が何を重要視するかによって、どちらにするかを決めることが大切です。
戸建てとマンションそれぞれの特徴と、選び方のポイントについてご紹介します。
目次
戸建てのメリットとしては、まず、管理費や駐車場代がかからないことが挙げられます。
マンションではこれら管理費・駐車場代のほかに、修繕積立金も毎月払わなければなりませんが、戸建ての場合は必要ありません。とはいえ、経年劣化や天災などに備えて、修繕費用を計画的に準備しておくことは必要です。
また、建て替えや増改築が自由にできることも戸建ての大きなメリットといえます。注文住宅であれば、一からすべて好みどおりにデザインすることが可能です。
さらに、階下や隣家への騒音に関しても、マンションほど神経質になる必要がありません。
一方、戸建ては同じ立地条件のマンションにくらべて物件価格が高い傾向にあります。ただし、最近流行のタワーマンションの上層階に比べると、いくぶん手ごろな価格であるケースも見られます。
また、マンションとは異なり、セキュリティー対策を自らが意識して施しておく必要があります。
さらに、戸建ては木造が多いため、害虫被害対策も必要です。
なかには、あとになってビルや大型マンションが近隣に建設されて日当たりが悪くなるケースもあるため、周辺環境にも注意を配る必要があります。
オートロックを導入しているようなマンションはもちろんですが、一般的に戸建てにくらべてセキュリティー面で安心できるというのが、マンションの大きなメリットでしょう。
また、デメリットに挙げられる管理費や修繕積立金のおかげで、共用部はいつも清潔に保たれるうえ、室外の修繕についても自分で検討や手配をする必要がありません。
鉄筋コンクリート造のため害虫被害もほとんどなく、密閉性が高いため光熱費がかかりにくいという点も、マンションならではのメリットです。
マンションでは、管理費や修繕積立金の支払いなどが毎月発生します。車を持っていれば、駐車場代も必要です。
また、管理組合への加入義務があり、定期的に役員を担当しなければならず、近所付き合いが苦手な場合は苦痛に感じる場合もあります。
さらに、階下や隣家との間で騒音トラブルに悩まされるケースも、戸建てにくらべて多くなります。
長い目で見た場合、戸建てとマンションとでは費用にどのような違いが出てくるのでしょうか。
戸建てとマンションそれぞれにかかるコストを比較してみます。
コスト | 戸建て | マンション |
---|---|---|
管理費 | なし | 約1万~2万円/月 |
修繕積立金 | なし(各家庭の裁量で積立) | 約1万~2万円/月 |
駐車場代 | なし(敷地内に止めるスペースがない場合は必要) | 約5,000円~2万円/月 |
固定資産税 | 数十万円/年 | 数十万円/年 |
火災保険 | 約2万円/年 | 約1万円/年 |
合計(年間) | 約2万円+修繕積立金+固定資産税 | 約31万~73万円+固定資産税 |
この比較表からわかるように、マンションは戸建てにくらべて、年間で数十万単位の費用が余計にかかります。戸建てよりマンションのほうが、圧倒的に生涯コストが高くなるということです。
先にも触れましたが、修繕積立金は戸建ての場合でも計画的に積み立ててきちんと準備しておくべきです。
とはいえ、一括で修繕時期や内容が決められてしまうマンションとは異なり、戸建ての場合は、劣化の部位や程度、費用との兼ね合いなどを考慮して、自分の判断で修繕内容を決めることができます。
修繕費用がある程度フレキシブルに使えるということも、マンションと大きく異なる点といえます。
戸建てとマンションそれぞれの特徴を理解したら、次は、自分が何を重要視するのかを明確にし、戸建てを選ぶかマンションを選ぶかを決めましょう。
たとえば、自由に設計できること、生涯コストを抑えること、小さな子供がいるので階下や隣家への騒音を気にしないですむことなどが重要だと考える場合は、戸建てを選ぶことになります。
いっぽう、多少お金はかかってもいいので家まわりの掃除や修繕などは任せたい、セキュリティー面で安心したい、高齢者や体の不自由な家族がいるので移動しやすい室内が必要といったことを重要視するのであれば、マンションを選ぶとよいでしょう。
戸建てとマンション、それぞれの特徴が明確になれば、自分や家族のために何を重視したいのかもはっきり見えてきたのではないでしょうか。
今現在のライフスタイルだけでなく、将来のビジョンや住宅に求める理想像などをバランスよく考えて、戸建てかマンションかを選択しましょう。
最新コラム